親から土地をもらって家を建てると果てしなく面倒臭い

マイホームを建てることが決まったら、次に考えるのが「どこに建てるか」だと思います。

住みやすい立地条件を考慮して条件にあった土地を探すのは大変な作業です。利便性と予算の折り合いをつけるのが悩ましいところ。

そんな厄介な土地探しを回避できる方法が、親の土地にマイホームを建てることです。但し、相応のリスクもあります。

今回は、親の土地にマイホームを建てるリスクについて

親の土地にマイホームを建てるリスク

うちの土地使っていいぞ

世の中には「土地を使っても良い」と話を持ち掛けてくれる有難い親が存在します。

親も自分の親から譲り受けた背景があったりすると、自分の子に受け継ぐべきだと考えるのは、ごく自然だと思います。そんなに珍しいことでもありません。

だからといって、安易に飛びつくと後悔するかもしれませんよ。ぼくはマイホームづくりで思いっきり口を出されましたからね。

譲ってもらってこんなことを言うのは気が引けますが、非常にウザかったです。土地を譲ってもらった手前、無下にもできずストレスだけが溜まっていく日々でした。

親に口を出されたエピソード

親も良かれと思って口を出すのですが、世代が異なるので価値観もまったく違います。年を取ればとるほど頭が固くなるので、こちら側が歩み寄るほかありません。

土地を突っ返して、他所で建てようと本気で考えたこともありましたが、嫁とお互いを慰めながら何とか耐え抜きました。

義父「誰の土地だと思っているんだ」

義父がマイホームづくりの段取りでちょっと気になることがあったようで、食器洗い中の嫁に話しかけました。

嫁は「今忙しいから後で聞く」と断りましたが、

誰の土地だと思ってるんだ。真面目に聞け!

と怒鳴りつけたそうです。

そんなことぐらいで土地を譲った恩を振りかざされるのかと思ったら、今後やっていけるのかと不安になったものです。

怒られた嫁はめちゃくちゃキレてました。なだめるのに苦労したよ…。

義母「あの工務店は信用できない」

義母の趣味のひとつに地元のマイホーム完成見学会を巡るというものがあります。美術品鑑賞みたいな感覚です。

ぼくら夫婦がマイホーム作るぞ宣言をしたときに、マイホーム完成見学会で知り合った工務店の営業を引っ張ってきたんですね。

その工務店が、たまたまぼくの本命の工務店とバチバチの競合店だったので対抗馬としてお付き合いすることになりました。

ぼくが食卓で本命の工務店を話題に出したりすると、それを聞いた義母は決まって

あの工務店は信用できない

と、こぼすのです。

どうしてそう思うのか理由を尋ねても、とにかく「信用できない」の一点張り。

苦労して見つけた工務店なのに、よくわからないレッテルを貼られるのは気分が良くないな…と悶々としました。

本命の工務店に値切り交渉が成功したときは、

急に何十万も値下げするなんて怪しい

工務店社長との信頼関係のもと実現させた値下げだったので、流石にイラっとしました。

レミ
レミ
(ぐぬぬっ)まあまあまあ、お義母さん聞いてください。実はですね…

義父「庭に木を植えてやろう」

マイホームの周囲には隣家があっても光が入る様に2メートルくらい間隔を空けています。そこにはコンクリートを打とうと考えていたのですが、

庭に木を植えてやろう

うわー…ありがた迷惑ぅ。

ぼくも嫁も日々の手入れとか苦手だから植物を扱いたくなかったのに…。やんわりお断りしようとしましたが、手入れは義父がやるという条件で手打ちになりました。

義父がいなくなったら誰が手入れするんだろう。はぁ…。

義父「土地を譲ったんだぞ。知る権利がある」

マイホームづくりは決めることが沢山あります。打ち合わせも納得いくまで何回もやります。

嫁とも就寝前に情報共有するくらいで時間の余裕がありません。

そんな多忙の日々の中、義父から「最近どうなんだ?」と尋ねられたので「もう少しまとまってから話しますね」と返すと、

こっちは土地を譲ったんだぞ。知る権利がある

と、怒っている様子。

コミュニケーション不足だったのは悪いなあと思いましたが、ちょっとしたことで「土地の譲渡」を水戸黄門の印籠のように振りかざされるのには辟易しましたね。

義父母の老後を考える

親から土地をもらって家を建てると果てしなく面倒臭い

マイホームづくりに口を出されることは予想していました(予想以上だったけど)。それでも土地を譲り受けたのには理由があります。

実父母に関しては嫁姑問題をどうしても回避したかったので、実兄に任せて逃亡しましたが、義父母はそうはいきません。

嫁は二人姉妹の妹で、お姉さんは東京で働いています。もうすぐ40歳ですが、いい人がいるという話も聞きません。

義父母も心配して地元に戻ってこいと諭しているようですが、お姉さんはハッキリとした態度を示しません。東京の一人暮らしが気楽なんでしょうかね。

お姉さんがそんな調子なので、地元にいる嫁としては「両親の老後は私が面倒みないといけないね」と漠然と考えているようでした。

嫁の優しい葛藤に覚悟を決める

マイホームづくりによって、いままで先送りにしていた「両親の老後」という課題に直面することになったのです。

どうしようどうしようと唸るばかりで理由を言わない嫁。何を悩んでいるかを問い詰めてみると、嫁が心配していたのはぼくのことでした。

嫁は両親の面倒をみたい。だけど、嫁は義父母とぼくの相性が悪いとぼくが苦労すると考えていたそうです。

そんな嫁の胸のうちを明かされたとき、大切な両親とぼくを天秤に掛けてくれたことへの嬉しさと、同時にそんなことで悩ませてしまっていたのかと自分の不甲斐なさを呪いました。

そこまで嫁に言わせて奮い立たない男は、嫁モテ失格です。

その場で「安心して! 義父母の面倒はぼくたちでみよう」と言っちゃいましたよね。覚悟を決めました。

土地代が浮けば住宅建築に充てられる予算が増えるので結果オーライだ。

義父母が所有している土地は、使い道がないので畑にするくらい広いので、義父母の住まいの隣にもう一軒建てても問題ありません。

リスクを飲み込んだら細かいことは後で考えればいい。こういうのは勢いが大事だ。

嫁の思いを汲んで義父母を背負う

数日後、嫁の実家にいってマイホームづくりの話題を出しつつ、どこに建てようか迷っている状況を伝えました。

義父母、ぼくら夫婦それぞれが意見を出し終えた後にしばらく沈黙が続き、頃合いを見計らってぼくはこう切り出しました。

レミ
レミ
嫁と結婚する前から考えてました。一生面倒みさせてください

この言葉に嘘はないです。結婚前に嫁と義父母の老後について話をしたことがありました。

義父はぼくの申し出を聞くと

そうか・・・

と、ぼくの言葉を胸に染み込ませるように押し黙り、心配性でいつも懐疑的な発言をする義母も静かでした。

ぼくの申し出がどういう意味を持っているかを察した義父は、それならばと「土地は好きに使っていい」と快諾してくれました。

最初の沈黙は「面倒みてくれないか?」と言いたいけど、義理の息子に遠慮して言えない。そんな気持ちの表れだったのかも知れませんね。

アパートに帰ったあとに嫁から

ヨメ
ヨメ
二人ともやっぱり先が見えない老後に不安を感じていたのかもね。だからレミさんの言葉に安心したんだと思うよ。ありがとう

と、お礼をいわれました。でへへ

でも、こんなカッコイイやりとりをしても、マイホームづくりに口を出されてイラっとしてるんだから人間って面白いですよね(笑)

親の土地にマイホームを建てると金銭的にすごく助かりますが、安易に飛びつくと後悔するかもしれませんよ。建築費用を出してもらっても同様です。

よーく考えてから決断しましょう。

理想のマイホームを手に入れるために納得いくまで情報収集しましょう。実際にマイホームを建てた人のブログは参考になりますよ。

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