「日頃から奥さんに感謝していますか?」
この問いかけにほとんどの人はYESと答えるでしょう。
感謝の心なくして夫婦は語れません。
感謝の心があるからこそ他人である二人が繋がっていられるのです。
では次の問いかけはどうでしょうか?
「感謝の気持ちを奥さんに伝えてますか?」
YES、と答えるも何だか歯切れが悪くなった気がしませんか?
夫婦という近すぎる関係の場合、いざ行動に移そうとすると意外に難しいものなのです。
付き合いが長くなるほど、素直な感情を表に出すのが照れくさく感じるようになります。
これまでに培った関係性が仇となり、えも言われぬ「いまさら感」に阻まれてしまうんですね。
伝えたいけど伝えられない。
もどかしさはあってもそんなに深刻な問題と思っていないから「また次の機会に」と先送りにします。
そうやって機会を逃し続けていると次第に「感謝の心はあるんだから問題ない」と都合よく脳内変換しし、感謝の気持ちを伝えることから遠ざかってしまいます。
嫁はエスパーではありません。テレパシーは使えないのです。
ちゃんと伝えなければ感謝していないのと同じこと。
それはあなたの本意ではないだろうし、嫁にとってもツライ状況です。
今回は、感謝の気持ちを伝える手段として【手紙を贈るアプローチの方法】を紹介します。
感謝の気持ちが伝わるメッセージを手紙に託して、あなたの大切なパートナーに贈ってみませんか?
感謝の気持ち、伝わってますか?
感謝の気持ちぐらい言葉で伝えればいいじゃないか、という意見も当然あるかと思います。
既婚者だからコミュニケーション能力はそれなりに自信があるのかもしれませんね。
しかし、感謝の気持ちを言葉で伝える行為は意外に難しいのです。
面と向かうと気恥ずかしくて素直になれない人や、口下手で思ったことを上手く表現できない人だっています。
言葉で伝えることはできても、気持ちが伝わっていないかもしれません。
最悪は言い回しやタイミングを誤り、誤解されたうえに弁明の余地がないまま話を打ち切られることです。
感謝の気持ちを伝えたいだけなのに何だか切ないですね。
手紙は気持ちが伝わりやすい
手紙って本当にいいものです。
あなたの周りに男性から手紙を贈られた経験がある女性はいませんか?
もし当時の様子を教えてくれる女性がいたら、手紙の内容について語る女性の表情に注目してみてください。
嬉しそうだったり、はにかんだり、困り顔でも満更じゃない様子だったり、みんな幸せそうな表情で語ってくれます。
時が流れても手紙の送り主の気持ちは色褪せることなく伝わり続けています。
手紙にはそれだけの力があるんです。
嫁に感謝の手紙を贈ろう
手紙、書いてみる気になりました?
以下に手紙のメリットをまとめたので参考にしてください。
記事の最後にぼくが実際に書いた手紙(正確には動画内メッセージ)も載せてあります。
漏れなくダブりなくシンプルに伝わる
気持ちを言葉で伝えようとするのはなかなか難しいです。
伝えたいことが沢山あると話している最中にどんどん頭から抜け落ちていきます。
気持ちを表に出すのが苦手な人だとテンパって尚更です。
伝え忘れたのに気付いても後の祭り。
あとで付け足そうものなら「忘れる程度の感謝の気持ちなんだな」と受け取られてしまうことになります。
逆に想いが強くなりすぎて同じ内容を何度も繰り返す人もいますが、これもあまり印象がよくありません。
これが手紙だと書いた内容を事前に読み返すことができるので内容の重複や伝え漏れのチェックができます。
紙の上のリハーサルは納得いくまで何度でも繰り返せます。
何度でも想いが伝わる
言葉で伝える感謝の気持ちの有効期限は相手の記憶に残っているうちだけ。
半年も経てば『言葉で伝えた事実』だけが残り、伝えた内容なんてすっかり忘れてしまいます。
手紙はいつでも何度でも贈った当時の感謝の気持ちを相手に伝えることができます。
言葉の想いは一過性、手紙の想いは一生モノ。
手紙に綴られた感謝の気持ちが色褪せることはありません。
記憶に定着する
言葉は瞬間的なインパクトがありますが、記憶に定着しやすいのは手紙です。
手紙を読むという行為は相手のペースで内容の理解が進んでいきますし、気になったフレーズは何度でも反芻(はんすう)できるからです。
感謝の気持ちを伝え終えた達成感でキラキラしている旦那に「聞き逃したからもう一回最初から」とは流石に言いにくい。
手紙を書く一手間に価値がある
正直なところ、手紙を書くのってとても面倒くさいです。
手紙は事前に準備するものだから時間に余裕があり、文章構成や表現、文法など納得するまで書いては消し、書いては消しの繰り返し。
それだけに手紙を書くのは意外に評価されます。
なぜならば、手紙を書いている間は他のことができません。
手紙を書くということは身も心も相手に捧げる行為なのです。
言葉で伝えるのとは明確な差ですね。
6分間文章術 想いを伝える教科書
運命的な出会いをしました。
中野 巧著『6分間文章術 想いを伝える教科書』です。
通称、エンパシーライティング。
これまで仕事術関連の書籍を100冊以上の読み漁ってきたプチ読書家のぼくが選ぶ役に立つ書籍ランキング不動の1位です。
もっと理解を深めようと著者でありエンパシーライティングの開発者でもある中野先生のセミナーを受講したこともあります。
小中学生がエンパシーライティングを使って読書感想文を書くと学校の先生がたまげるのだとか。
エンパシーライティングを実践してきた身としては納得のエピソードです。
子どもが学校で感想文を書く年頃になったら読ませてあげようと思います。
さて、ここからは今もお世話になっている『6分間文章術 想いを伝える教科書』の書評です。
相手の心を動かすのに、文章力はいらない
99%の人が大きな誤解をしています。
相手の心を動かすのに、“文章力”はいりません!
「文章ねぇ……そりゃ書けたらいいけど、昔から苦手だし、いまさら時間もないし、でも……」
と、スッパリあきらめきれないあなたへ。
【埋める⇒貼る⇒つなぐ】のゲーム感覚で、パズルのように文章をデザインすると、すぐに結果が出てしまう
――まるで、魔法のようなチャートを、試してみませんか?
冒頭にあるこの文章を読んだ瞬間、頭の中に「?」が浮かびました。
文章力をつけたくてAmazonでそれっぽい書籍を買い漁った中に「そんなのいらない」と真逆のことを主張する本があったんです。
しかし、読み進めていくうちに「そんなのいらない」と主張している意味が解ってきます。
シンプルでかつ実践的な内容
巻末に付属している用紙は「エンパシーチャート」と呼ばれるエンパシーライティングによる文章作成の肝となる魔法のチャートです。
本書ではこのエンパシーチャートの使い方と実例があるだけのシンプルな内容です。
難しい理論は一切ありません。
このエンパシーチャートを決まった順番に埋めていくだけで自分でもビックリするくらい相手の共感を得られる文章が書けるようになります。
文章を書くのが苦手でいつも長い時間がかかっていたぼくが、【埋める⇒貼る⇒つなぐ】のテンポの楽しさを覚えた途端、スラスラーと書けるようになりました。
ネガティブな思考に寄り添う
「もしかしたら……」と先生のひとりが重い口を開きました。
「自己肯定感が低く、ほめられても自分のこととは思えない。親にもほめてもらったことがなく、自分の価値に気づけてない生徒がいるかも」と。
この気づきの後から生まれたメッセージには深いやさしさが宿りました。
文章を読む相手は人間です。
誰でもネガティブな側面をもっています。
一本調子に良いことばかり書きつらねてもなかなか相手の心に響きません。
エンパシーチャートが共感を生む秘密はネガティブな状態に寄り添い、癒し、励ますことです。
ネガティブな思考に寄り添うことで文章に命が吹き込まれます。
自分の言葉が武器になる
本書に文章力をあげるテクニックはありません。
それでも自他ともに認めるくらいぼくの文章は魅力的なものに生まれ変わりました。
文章力がなくても構成がしっかりしてれば伝わります。
むしろ文章力は「自分の言葉」というエッセンスなので下手くそなほうが個性がでるかもしれません。
とにかく実践あるのみ!
ぼくはこれまでにエンパシーチャートを少なくとも100枚は描きました。
エンパシーライティングの数をこなしていると文章作成以外でも備わってくるスキルがあります。
それは会話の先回りです。
日常の会話の中でも(あ、この発言をしたら相手はこう思うだろうな)と気付くようになります。
そして自然と相手の気持ちをフォローする一言を添えられるようになれます。
これってすごく良い変化だと思いませんか?
エンパシーライティングでコミュニケーションの質が変わったのを実感しています。
嫁の誕生日に贈った手紙 ※実録
嫁の誕生日に贈ったプレゼント動画にエンパシーチャートで作ったメッセージを入れました。
その原稿を公開しちゃいます。
パパからママへ
なんだかあっという間の1年だった気がするけど振り返れば沢山の出来事があったよね。
(子どもの名前)も健やかにまっすぐ、そして小生意気に(笑)成長してくれてます。
ママはパパが積極的に育児に協力してくれるおかげってよく言ってくれるけどさ。
やっぱり愛情を一番注いでくれているのはママなんだよね。
それって当たり前のようで当たり前のことじゃない。育児ノイローゼって言葉もあるし、とても大変なことなんだと思う。
でも、ママが頑張ってくれるおかげで今の(子どもの名前)がいられるんだよ。
いつもありがとう。感謝してます。
パパだってこれからも育児に関わるし、(子どもの名前)が遠出できる年齢になるまでに毎年旅行できるように稼げるようになるよ!
来年の誕生日も皆で笑って迎えられるように一緒に頑張ろうね!
ママ、お誕生日おめでとう
以上です。
読まれた方の心に響かなかったらゴメンナサイ。
ぼくの言葉で紡いだメッセージは、ぼくの嫁にしか響かないのかもしれません。
でもそれで充分だと思います。
手紙で感謝の気持ちを伝えたいと思った人は、ぜひ『6分間文章術 想いを伝える教科書』を手に取ってみてくださいね。