「嫌われたくない」
そう思って日々を過ごしている旦那ほど嫁に嫌われます。経験がない人にとっては不思議ですよね。実際、夫婦関係においてこの現象に悩まされている人達がいます。
ぼくの知人に低姿勢で何でも言うことを聞いてくれる旦那さんを持つ女性がいます。この人、旦那が嫌いなんですって。何でも言うこと聞いてくれるのに不思議ですよね。
この問題の本質には、嫌われたくないと思っている人の行動や姿勢、言動に原因があります。今回は、「嫌われたくない」と思うと嫌われる現象について考察します。
嫌われる人とは?
オーストラリア出身の心理学者アルフレッド・アドラーが残した有名な言葉の中に「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」というものがあります。
アドラー曰く、お金や病気、老いなど一見対人関係とは無関係そうな悩みでも、その原因の本質を突き詰めれば必ず対人関係の悩みにいきつくというもの。
「お金がないから嫁に苦労をかける」
「病気になったら子どもと遊んでやれない」
「若い頃を知る人に老いた姿をみられたくない」
お金がないと自分の人生が楽しめないから自分の悩みだ!と言えなくもないですが、アドラー心理学を学んでいくとその考えすらも対人関係の影響があることがわかります。
本日の話題からそれるのでご興味のある方はこちらをどうぞ。物語調で心理学に馴染みがない人でも読みやすいです。個人的には相談者である青年のボキャブラリー豊富な悪態のつき方がツボ(笑)
この書籍『嫌われる勇気』にも書いてありますが、人間は誰もが潜在的に「他人に嫌われたくない」と考えています。でも現実には、その思いとは裏腹に他人から嫌われる人が一定数存在していますよね。
ぼくが考える『嫌われる人』は大別して2タイプいます。それは『自分勝手な人』と『依存心が強い人』です。
自分勝手な人とは
自分勝手な人とは、組織や夫婦、仲間などのコミュニティに属しながらも他人の都合には配慮せず、自分の思うがままに行動する人です。
自分勝手な人はぶっちゃけ他人から嫌われても良いと考えています。それよりもまず自分の主張を通すほうが重要。
自分が嫌われてるのに気づいたとしても
とは思いません。フン、と鼻で笑って終いです。
まあ、嫌われても良い人は嫌われれば良いので特に問題はありません。
依存心が強い人とは
問題なのは、嫌われたくないのに嫌われる人。
この悩みに陥ってしまう人は、もう一つの嫌われるタイプ『依存心が強い人』です。冒頭の低姿勢で何でも言うことを聞いてくれる旦那さんもこのタイプでしょう。
依存心が強い人とは、ものごとの判断基準が相手任せ。何をするにも相手の同意がなければ行動をおこせない人のことです。人に頼る気持ちが強い人とも言えます。
自分に自信がなくて他人に依存するパターンが典型的ですが、「嫌われたくないから相手の言うことには逆らわない」というネガティブな思考回路から依存するパターンもあります。人間関係に波風を立たせたくない穏やかな性格の人に多いでしょうか。
初対面の人やたまに会う知人など関係性が弱い相手ならウケがいいのかもしれませんが、関係性が強い相手には確実に嫌われます。
ピンとこない人は、パートナーや友人、職場の同僚などに「そのくらい自分で考えて」って言われたことありませんか?
ものごとの判断を下す行為はそれなりにストレスがかかります。対等な立場だと思ってる相手が自分に頼りきりで楽ばかりしてたら、そりゃあムカついて突き放したくなりますよ。
パートナーが依存体質だとキツイ
夫婦の話に戻ります。
夫婦生活では判断を迫られるシーンがたくさんあります。住まい、家事、子ども、親、ご近所付き合い、旅行、冠婚葬祭、仕事、車、保険、貯金、ローン…などなど数えてもキリがないですね。
嫌われたくない心理からくる依存心が強い人は自分勝手な人と真逆で一切主張しません。具体的にいうと嫁から何か意見を求められても「何でもいい」「任せる」と答えます。
無難なんですよね。お互いの主張がぶつかって夫婦喧嘩に発展してしまうよりはマシだと思えるから。
「相手の意見を尊重した結果だ」と反論する人もいるかもしれません。尊重、使い勝手のいい言葉ですね。でも、ぼくからすれば『尊重』の意味を履き違えているように思います。
意見を求められた場合は相手の意見を考慮して自分の意見を出す。これが尊重です。
尊重じゃない『尊重もどき』に対して相手側が受ける印象は最悪です。期待する答えではないですからね。
意見を求めるのは自分の判断に自信がなかったり、もしくは別の良い判断やそれにつながるアイディアが欲しいからです。自分の判断が100%正しいと思ってる人はそもそも他人の意見を求めません。黙って行動します。
それなのに「何でもいい」「任せる」なんて返ってきたらガッカリするでしょう。同じようなことが繰り返されたら「なんで私ばっかり」と愚痴の一言も吐きたくなるってもんです。こんな人とこれから先も付き合っていくのはキツイなあ。
目線を変えてみる
嫌われたくない人って、相手に目線が向きすぎているんじゃないかと思うんです。
相手の一挙手一投足を気にしすぎるあまり全ての判断基準が『嫌われるかどうか』になってしまい、本来持っている自分らしさを損なってしまってます。
自分らしさってパートナーに結婚を決意させるほどの魅力的な要素だったはずです。そうじゃなければ、結婚相手は誰でも良かったって話になります。
判断を迫られる場面に直面したら、相手にではなく、その課題に目線を向けることです。パートナーと同じ方向をみている感覚を意識することが大切。
価値観なんて二人いれば二つあるものなのだし、どちらが正しいってこともありません。お互いの自分らしさを主張し合える協力関係を築きましょう。
お互いの意見を尊重し合い課題を解決することで共通の達成感が生まれ、夫婦の絆が深まっていきます。
真剣に取り組めば感情的になって衝突することもあるでしょう。気まずいですよね。そんなときは夫婦喧嘩の仲直り方法も参考にしてくださいね。
強い絆があれば、自然とお互いに「ごめんなさい」が言える雰囲気が作り出せます。
嫌われたくない人こそ相手に依存せず、積極的に自分らしさを主張しましょう。
同じ方向をみている協力関係にあることを忘れずに。